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Month: 10月 2015

スタートアップ創業者は製品開発とマーケティングに50:50で取り組むべし

最近読んだ書籍「トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル」から。

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Google 検索エンジンの対抗馬として有名な DuckDuckGo の創業者ガブリエル・ワインバーグの著書で、これまで色々なスタートアップの立ち上げをやってきた自分でも改めて学ぶところが多かった。

この本の存在を知ったのは、いつも移動中に聞いている Podcast の1つ Startups For The Rest of Us に著者のガブリエル・ワインバーグがゲストで出演していたから。

この本、ぜひ買って読んでもらいたいねんけど、本書の内容を一言で表すとすればズバリこれ。

「スタートアップ創業者は会社を立ち上げたその日から、50% を製品開発に、50% をマーケティングの時間に投入すべし。」

テック系の CEO に限らず、ほとんどのスタートアップの CEO は、製品がローンチできる状態になって初めてマーケティング活動らしきものを開始するんやけど、それではまったくもってして遅いという話。

以前、自分が運営していたシリコンバレー発の起業家育成プログラム Founder Institute でも、ビジネスアイデアが固まったらすぐにランディングページを立ち上げて、1週間以内に想定顧客のメールアドレスを最低500個入手しましょう!みたなことをやってたけど、「製品が完成する前に」想定顧客にリーチし始めることはホンマに大事。

本書にも詳しく書かれてるけど、ブログを使ったコンテンツ・マーケティングでも、ブログの月間読者数が数万人に成長するには最低6ヶ月はかかるわけで、そんなものを製品のローンチ直前やローンチ後にやり始めても、世の中に自分の製品を知って欲しい人に情報が全然届かんということです。

で、この話をすると CEO から返ってくる返答で一番多いのがコレ。

「ブログとか書いてるヒマないっす。海外に情報発信したくてもオレ英語喋れないっす。」

知らんがな、と突き返したくなる気もするけど、そんな人にオススメの方法が oDesk / Elance / Upwork を使ったアウトソーシング。

運営4年目に突入した自社のウェブサービスでも、あらゆる作業をアウトソースしていて、今ではコンテンツ・マーケティングも Upwork でアウトソーシング中。ちなみにこのウェブサービスは開発はインド、カスタマーサポートはシンガポール、ディレクションは日本ということで絶賛世界分業中。参考まで。

IoT やハードウェアなど、ソフトウェアよりも開発期間が長くなりがちな製品は、むしろこの時間をうまく使って初日からマーケティング活動を行うと、ある意味ソフトウェアよりも先行マーケティングの効果が大きいのではと最近思うようになっとる次第です。

IoTの通信規格は統一する必要があるのか?

今朝の日経産業新聞の記事「第1部考える工場(2)互いに協調、学ぶロボ、PFN、不具合察知しカバー、MUJIN、部品の山位置を計算(製造革新4.0)」から。

最近、この記事に関わらず IoT 機器間の通信規格やプラットフォームをどう統一するかという標準化の問題が指摘されることが多い気がするんやけど。

これに対する自分の考えはいつも同じ。各々の会社・団体が各々の利益・思惑で動いている限り、未来永劫、絶対に統一されへんと思う。

むしろ、そんなことに時間を使うくらいやったら、ウェブサービスで言うところの相互接続をいち早く実現してビジネス化をしてしまった Zapier のモデルをよく勉強した方がええ。

ただし、同じビジネスを IoT でやろうと思った場合、追加で考えないといけないことが幾つかあって、例えばデータ量もその1つ。

IoT の中でも特にセンサーネットワークから上がってくるストリーミング形式のデータ量は膨大で、それこそ Amazon Kinesis くらいのパフォーマンスがないと、とてもデータをさばききれへん。

さらにセキュリティ。膨大なデータの1つ1つのセキュリティをしっかりと担保しながら、別の IoT ネットワークにデータを変換しながら渡していくのは、これはこれで技術ハードルが高い。

最後にアクチュエーターの扱い。仮にデータをリアルタイムに変換できたとしても、それはセンサーから上がってくる入力値を処理しただけの話であって、データの出口にあたるアクチュエーターをどう動作させるかは、これまた別の話。

アクチュエーターの仕様は各社千差万別で、たとえばLED電球1つをオンにするにも、たぶん数十種類のプロトコルが存在するはず。

一方でハードルが高いからこそビジネスになるチャンスが大きいわけで、異なる通信規格で動くスマート工場から上がってくるデータをリアルタイムに変換しながら相互通信できる IoT 版 Zapier を提供できれば、おそらく数年間はそれだけで世の中にインパクトを与えられるスタートアップの座をキープできるかと。

PS.
自社で運営中のウェブサービスでも少し前から Zapier を使い始めました。
「あの外部システムと連携して欲しい」という顧客からの要望にスピーディに対応するには、もう個別のインテグレーション作業では間に合いませんがな。