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Year: 2015

リバースメンターのススメ

今朝の日経産業新聞「経営者に年下の助言を、IDEO共同経営者に聞く、成功へ新視点提供」から。

この記事の内容は、あえて自分よりも年下のメンターを身の回りに置くことで、ソーシャルメディアや最新のトレンドなど、自分では見えていないことを知る機会が得られるっちゅー話。

日本では「教える」とか「メンタリングする」となると、なぜか成功者とか年配者しかやったらアカンみたいな雰囲気があるけど、そういう人はいっぺんでも海外に住んでみた方がええと思う。

New York 生まれのコミュニティ・スクール General Assembly なんかはまさに良い例。GA では「人は誰でも他人に教えるに値する何かを持っている」というコンセプトを元に、誰でも授業を『有料で』開催できる仕組みを提供している。

GA のコンセプトは今では世界規模で受け入れられていて、アメリカ以外にも香港やシンガポールなどの他の 英語圏 にも進出済み。残念ながら、非英語圏の日本は GA はまだ輸入されてへん。GA のコンセプトは日本の寺子屋そのものなんやけどね。

何が言いたいかと言うと、先輩と後輩の関係を逆転させて、年下の人に教えを請うというやり方である「リバースメンター」を実践する一番てっとり早い方法が、年下の人に対して自分が教える場を持つことやと思うんですね。

実は「教える」という行為は、教えられる側の人よりも、教える側の人の方が本来得るものは多い。これ自分の経験を通じての話。

自分もあらゆるトピックで 大学 や アクセラレーター で年下の人に教える機会があるけれど、自分と全く異なる物の見方や価値観に遭遇すると「なるほど、そういう考え方があるんか!」と驚くことがある。これらは全て教えるという行為が双方向のコミュニケーションの上に成り立っとるからなんやね。

なので、年上でも年下でもメンターなんか探しているヒマなんかあらへんという人こそ、教える場を持てそうなオファーがあったら即 OK して頂きたい。そして、教えるという行為を通じてリバースメンターを実践してもらえると経営者としてもっと成長できるのではと思う次第です。

PS.
今度、角川アスキー さんからのオファーで高校生と彼らの進路相談を担当する教員の方々に対して「起業という選択肢もあるんですよ」セミナーを開催する機会を頂きました。お相手が高校生と教員の方ということで、こちらも今から楽しみにしております。

スタートアップ創業者は製品開発とマーケティングに50:50で取り組むべし

最近読んだ書籍「トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル」から。

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Google 検索エンジンの対抗馬として有名な DuckDuckGo の創業者ガブリエル・ワインバーグの著書で、これまで色々なスタートアップの立ち上げをやってきた自分でも改めて学ぶところが多かった。

この本の存在を知ったのは、いつも移動中に聞いている Podcast の1つ Startups For The Rest of Us に著者のガブリエル・ワインバーグがゲストで出演していたから。

この本、ぜひ買って読んでもらいたいねんけど、本書の内容を一言で表すとすればズバリこれ。

「スタートアップ創業者は会社を立ち上げたその日から、50% を製品開発に、50% をマーケティングの時間に投入すべし。」

テック系の CEO に限らず、ほとんどのスタートアップの CEO は、製品がローンチできる状態になって初めてマーケティング活動らしきものを開始するんやけど、それではまったくもってして遅いという話。

以前、自分が運営していたシリコンバレー発の起業家育成プログラム Founder Institute でも、ビジネスアイデアが固まったらすぐにランディングページを立ち上げて、1週間以内に想定顧客のメールアドレスを最低500個入手しましょう!みたなことをやってたけど、「製品が完成する前に」想定顧客にリーチし始めることはホンマに大事。

本書にも詳しく書かれてるけど、ブログを使ったコンテンツ・マーケティングでも、ブログの月間読者数が数万人に成長するには最低6ヶ月はかかるわけで、そんなものを製品のローンチ直前やローンチ後にやり始めても、世の中に自分の製品を知って欲しい人に情報が全然届かんということです。

で、この話をすると CEO から返ってくる返答で一番多いのがコレ。

「ブログとか書いてるヒマないっす。海外に情報発信したくてもオレ英語喋れないっす。」

知らんがな、と突き返したくなる気もするけど、そんな人にオススメの方法が oDesk / Elance / Upwork を使ったアウトソーシング。

運営4年目に突入した自社のウェブサービスでも、あらゆる作業をアウトソースしていて、今ではコンテンツ・マーケティングも Upwork でアウトソーシング中。ちなみにこのウェブサービスは開発はインド、カスタマーサポートはシンガポール、ディレクションは日本ということで絶賛世界分業中。参考まで。

IoT やハードウェアなど、ソフトウェアよりも開発期間が長くなりがちな製品は、むしろこの時間をうまく使って初日からマーケティング活動を行うと、ある意味ソフトウェアよりも先行マーケティングの効果が大きいのではと最近思うようになっとる次第です。

IoTの通信規格は統一する必要があるのか?

今朝の日経産業新聞の記事「第1部考える工場(2)互いに協調、学ぶロボ、PFN、不具合察知しカバー、MUJIN、部品の山位置を計算(製造革新4.0)」から。

最近、この記事に関わらず IoT 機器間の通信規格やプラットフォームをどう統一するかという標準化の問題が指摘されることが多い気がするんやけど。

これに対する自分の考えはいつも同じ。各々の会社・団体が各々の利益・思惑で動いている限り、未来永劫、絶対に統一されへんと思う。

むしろ、そんなことに時間を使うくらいやったら、ウェブサービスで言うところの相互接続をいち早く実現してビジネス化をしてしまった Zapier のモデルをよく勉強した方がええ。

ただし、同じビジネスを IoT でやろうと思った場合、追加で考えないといけないことが幾つかあって、例えばデータ量もその1つ。

IoT の中でも特にセンサーネットワークから上がってくるストリーミング形式のデータ量は膨大で、それこそ Amazon Kinesis くらいのパフォーマンスがないと、とてもデータをさばききれへん。

さらにセキュリティ。膨大なデータの1つ1つのセキュリティをしっかりと担保しながら、別の IoT ネットワークにデータを変換しながら渡していくのは、これはこれで技術ハードルが高い。

最後にアクチュエーターの扱い。仮にデータをリアルタイムに変換できたとしても、それはセンサーから上がってくる入力値を処理しただけの話であって、データの出口にあたるアクチュエーターをどう動作させるかは、これまた別の話。

アクチュエーターの仕様は各社千差万別で、たとえばLED電球1つをオンにするにも、たぶん数十種類のプロトコルが存在するはず。

一方でハードルが高いからこそビジネスになるチャンスが大きいわけで、異なる通信規格で動くスマート工場から上がってくるデータをリアルタイムに変換しながら相互通信できる IoT 版 Zapier を提供できれば、おそらく数年間はそれだけで世の中にインパクトを与えられるスタートアップの座をキープできるかと。

PS.
自社で運営中のウェブサービスでも少し前から Zapier を使い始めました。
「あの外部システムと連携して欲しい」という顧客からの要望にスピーディに対応するには、もう個別のインテグレーション作業では間に合いませんがな。

ABCハッカソンのメンターをさせて頂いて

朝日放送が主催する関西発のITxモノづくりハッカソン ABC Hackathon にメンターとして昨日参加させて頂きました。

この手のハッカソンでは審査員として参加させて頂くことが普段多いですが、今回はメンターということで発表前の各チームに対して割と丁寧にヒアリング&フィードバックさせて頂くことができました。

審査員として参加すると事前のバイアスがない状態でブラッシュアップされたプレゼンとデモが見られるというメリットはありますが、裏を返せばイベントの最終日に今から何を言ってもフィードバックを反映する時間が各チームにないため、「ああ、ここはもっとこうした方がいいのにな」という思いがあってもコメントを控えてしまうことが時々あります。そういう意味では今回は参加者の方々と密なコミュニケーションが持てたようでとても良かったです。

ちなみに1日目のアイデアソンでは160名程の参加者が集まり、予選を通過したのは3分の1にあたる50〜60人だったそうです。それらをチーム分けした合計8チームに2時間余りの時間をかけてメンタリングさせて頂きました。

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1日目のアイデアソン懇親会の様子 ABC ハッカソン公式 Twitter から

今回のハッカソンでは「イベントに関するモノづくり」というお題目が設定されているため、イベント当日に配布する販促グッズやイベント参加者同士のコミュニケーションを促進するデバイスが全体を通して多かったように思います。

販促やコミュニケーションに関するものは「あったらいいですね」という類のものに該当することが多く、例えば治療法が見つかっていない病気を治すための薬や難易度が高い手術を支援するための医療機器などといった「絶対に必要」といった類のものと比べると相対的にニーズが弱い、という前提がまずあります。

ニーズが弱いから世の中に必要とされていないというわけではなく、イベントの運営に関わる企業は新規ファンの獲得や既存ファンのロイヤルティ向上のためのグッズやコミュニケーション手段を常に探し求めているのは事実ですので、規模は違えどニーズは確実に存在しています。

しかし、この手の「あったらいいですね」に属するものを本当に事業にする場合は、総じてコストが最大かつ唯一の懸念事項になることが多いです。提案された販促グッズがどれだけ最新のテクノロジーを使っていても1個あたり3,000円と言われると、ほとんどのイベント運営会社は買ってくれないはずです。

逆にテクノロジーを使わない普通の販促グッズに比べて1個あたり100円くらいのコスト増でまかなえるのであれば、あらゆる顧客が興味をもってくれます。つまるところ、どれだけ安く作って高い費用対効果=お買い得感を出せるかに集約されます。

各チームともアデイアの部分について色々と熱弁されていましたが、自分としてはどのアイデアも100円で実現できるならアリ、そうでなければナシ。これに自分のフィードバックが終始していたように思います。

これはハッカソンの段階で言っても仕方がないことではありますが、1つだけ気になったのはどのチームも提案するデバイス(モノ)が1個1,000〜3,000円で量産できると見積もっている点でした。そもそもそのコストでは商売にはならないうえに、残念ながら現実的にはどのデバイスもそういったコストでは量産できません。

投資家的な目線でみるとハードウェアを扱う事業・ベンチャーを支えるには、モノにもよりますがだいたい5〜6億円くらいの資金が必要になるというのが一般的な相場です。その理由は最初の1個の量産品を工場で作るにも、まず金型代で数百万、部品代で数百万〜数千万、ラインの確保に同じく数百万〜数千万という費用がかかり、さらに顧客の要望を反映した改善版や品質に到達するまでに同じ金額の出費を2〜3回くらい繰り返す必要があるからです。

電池を内蔵していて屋外で使うタイプのデバイスは耐水試験や強度試験など量産前に外部に委託してやってもらう各種検査費用も発生してきます。ウェアラブルで人体に直接影響がでる可能性があるものは、そちらの検査も必要です。販促グッズやコミュニケーションデバイスとはいえ、実際に人間が使うものなので事故が起こらないような作りにはしておく必要があります。

よく Arduino や mbed などのプロトタイプ用プラットフォームを使って作った試作品を持ってきて、量産にかかるコストは幾らですという言う人がいますが、そのような技術試作の設計と部品では工場は量産を受け付けてくれません。また工場に発注する際にも工場側は1個単位ではラインを確保してくれないので1,000個単位、場合によっては1万個単位で発注する必要があります。なので、最初の1個の量産品を作るだけでも発注側には相当な資金力が求められます。最終的にそれらの初期コストが初回出荷分の製品の値段に反映されることも忘れてはいけません。

こういった現実的なコスト要素を考えると、販促グッズやコミュニケーションデバイスをいわゆる IoT 化する際には、よほどこのあたりのことを入念に考えて設計と部品選定を行ったうえで製造現場ともすり合わせをしておかないと、そもそも出荷不可能ということになります。

さてここまで我田引水をやったうえでの紹介で大変恐縮ですが、このようなハードウェア事業に参入するうえでの障壁を下げるためのプログラム Makers Boot Camp (鋭意リニューアル中)について最後に書いておきます。

Makers Boot Camp ウェブサイト
Makers Boot Camp ウェブサイト

このプログラムはハードウェア・IoT分野への進出を検討しているソフトウェア技術者や既存企業(特に新規事業部の人材)を対象にしたハードウェアスタートアップ育成プログラムで、この夏から京都での開催を予定しています。自分も共同運営者の1人として立ち上げに関わっています。

このプログラムの特徴はいわゆるメンタリング中心ではなく、京都工芸繊維大学が提供する機械工学・電気工学の基礎コースがカリキュラムに含まれている点です。これによりハードウェアの知識が一切ない人でもプログラム受講後には一通りの基礎知識が身につくという仕組みになっています。

もう1つの特徴は量産化試作のプロフェッショナルである京都試作ネット(KSN)との提携により、KSN 会員企業の製造現場の第一線で活躍する技術者からのアドバイスが受けられる点です。プログラム参加者は最初から量産化を前提としたプロトタイプを KSN と共同で製作することができます。

Makers Boot Camp についての詳細は今後ウェブサイトや告知イベントを通じで徐々に発信していく予定ですが、この時点で興味がある方はウェブサイトからエントリーして頂ければ幸いです。

みなさんの参加を待ちしています。

インセンティブ経営 vs 年功序列・終身雇用経営

Image by Frits Ahlefeldt-Laurvig on Flickr

今朝の日経産業新聞は全く異なる価値観の経営理念が両方同時に見れるという意味で結構面白かったです。それぞれ記事の表題はこんな感じでした。

『ウィリアム氏と明日を読み解く(75)社員が主体性を持つには―公正・透明なインセンティブを。』
『山男流経営学(9)モンベル創業会長辰野勇氏―年功序列・終身雇用貫く(仕事人秘録)』

前者は社員にオーナーシップ(主体性)を持ってもらうためには、奨励金やリーダーポジションへの昇格など分かりやすいインセンティブを提示することが重要であるという主張。後者は能力を持った人の給料を増やしたり出世させたりしてあげられない代わりに、年功序列・終身雇用は平均的に時間とお金をかけて社員を教育することができるため、その結果として経験豊かな人材が多く育つという主張です。

自分はもともとアメリカの大学で学んだこともあり、20代・30代の頃はどちらかと言えば前者の考え方に近く、ストックオプションや高い年俸といった分かりやすいインセンティブさえ提示すれば社員は主体性を持ってどんどん仕事をやってくれるだろうと思い込んでいました。そして事実「短期的な視点では」それはうまく機能していたように思います。

ただし、生まれ育った関西に戻って京都を拠点に活動しはじめて40歳を目前にした今、自分の考えは明らかに後者に寄っています。

前者の考え方はアメリカのように優秀な人材が世界中から集まってきていて被雇用者の流動性も高く、いろいろな価値観をもった多民族からなる社員を束ねる場合には最も有効かと思います。さらに失敗しても他でやり直せるというアメリカ人のあっけらかんとした国民性も大いに関係していると思います。極端に言えば、成果が出ない社員を抱えることは会社の競争力が落ちるうえに本人のためにも良くないという価値観です。

一方でモンベル創業者の辰野さんが記事の中で主張される通り、島国である日本ではそういうわけにもいかず、落ちこぼれの人も国や企業や地域が支えなくてはならないという独特の感性や文化があります。この価値観を理解できない米国人経営者に対して「自分の子どもが学校の成績が良くないとクビにするのですか」という辰野さん質問はなかなか的を得ている気がします。これこそが、日本とアメリカの価値観の違いそのものだと思います。

アメリカ型も日本型もどちらも間違っていないですが、自分はやはり日本という国に根付いているのは日本型だと考えます。しかし、昨今の日本の経済状況下では企業が年功序列・終身雇用をうたうのはそう簡単ではないという現実があるのも事実です。昔のように能力のある人もない人も平等に企業が抱え込んで、みんなでゆるやかに成長していくということは、それ自体がなかなか実現困難な時代になってきています。

だからこそ、自分はいま一度この日本型の経営のあり方を見つめ直して、日本という国と日本人が本来持つ強みを再確認しながら世界との戦い方を考える必要があると強く思います。スタートアップは大企業や競合他社がやれないことをあえてやることで自社の強みや特徴を出す必要がありますが、アメリカのスタートアップと同じやり方を日本でやってもうまく行きません。これは国という単位でも同じで、それぞれの国にはそれぞれの国あったやり方があると思います。

さらに言えば、東京と地方においても同じことが言えると思います。我々はいま自分がおかれている状況を本当によく吟味して、それぞれの土地・人が持つ強みや特徴をしっかりと活かす形で行動をとらないと、もの凄い勢いで押し寄せてくるグローバル化や東京一極集中という波に一気に飲み込まれてしまう気がしています。またそういう目線で普段生活していると、自分が住んでいる環境もちょっと違って見えてくるものです。

ちなみに今回のようなトピックに興味がある方には下記の本がオススメです。同志社大学で京都企業の研究とMBAの講師をされている村山先生の著書です。自分も仕事のことで迷った時はこの本を時々読み返すようにしています。従業員のモチベーションを高める独特のマネジメントから付加価値の高い製品を生み出す開発力、事業継続のために行う革新まで京都企業のユニークな手法について書かれています。ゴールデンウィークのお出かけの際のお供にどうぞ。

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厚労省の先駆け審査指定制度について

Image by jepoirrier on Flickr

関係のない方には全く関係のない話ですが、個人的にはここ数年の政府の取り組みの中で最も画期的なものの1つだと思っているのが、今回取り上げる厚生労働省の「先駆け審査指定制度」です。

今年度からいよいよ運用開始されるこの制度ですが、何がそんなに画期的なのかざっくり一言でまとめると「有効な治療法が見つかっていない疾患で世界に先駆けて新しい医薬品・医療機器・再生医療製品を日本に投入する場合は、審査と承認にかかる時間を大幅に短縮します」という内容です。

制度の詳しい内容はこちらの概要書を見て頂ければと思いますが、この制度のキモの部分は通常12ヶ月かかる承認審査の期間が半分になるという表面上の分かりやすいメリットよりも、実はそれよりももっと大きなところにあります。それは、いわゆるフェーズ3(第III相試験)と呼ばれる臨床試験が終わる前段階でも「事前評価」という形で承認プロセスを開始できるという点です。

自分は創薬やバイオの専門家ではないので、そこまで制度に詳しいわけではないですが、それでも関係者の方々に話を聞くとこの制度によってフェーズ3で求められる「多数の患者による有効性・安全性の確認」という高いハードルを越えなくともある程度の申請手続きを始められるため、市場投入までのリードタイムが相当短縮されるだろうという意見をよく耳にします。

この制度によってようやく日本の創薬・バイオベンチャーをとりまく環境が改善されると言う方もいれば、これで日本は一気に世界の先頭に立とうとしていると言う方もいます。事実、iPS 細胞関係の某バイオベンチャーの代表の方も、先日あるイベントでこうコメントされていました。

「いま世界中のどこでも自由にバイオベンチャーを創業して良いと言われても、それでも自分は客観的に見て日本で起業するだろう。それだけ日本の環境は整いつつある。」

自分個人としてはハードウェア・IT の専門家として、IoT x 医療分野でのイノベーションに注目していて、こういった制度を活用することで日本から世界で戦えるユニークなベンチャーが生まれてくる可能性があるのではないかと思ってます。

自分が拠点としている京都・関西は、オムロンやアストラゼネカなど国内/外資系を問わずライフサイエンス・ヘルスケア関係の有名企業が多く存在していているうえに、iPS 細胞関連のバイオベンチャーが多数の研究開発拠点を置いているのも今更言う必要がありません。こういった地の利を活かすことで、シリコンバレーや中国深センとはまた違った点で差別化されたハードウェアx医療系スタートアップが作れるのではないか、というのが最近の持論です。

もちろん医薬品・医療機器の分野というのは、こういった制度があったとしても参入障壁がもともと高い分野ではありますが、同分野で実際にビジネスをしている経営者やモノを作っているエンジニアに直接話を聞ける機会が多い京都・関西は、やはり他の土地と比べて圧倒的に有利な気がしています。

ドイツなどは数年前から「インダストリー4.0」という名目で工業分野のデジタル 化・IoT化に国を挙げて全力で突き進んでいますが、もし同じことをここでやるなら「ライフサイエンス4.0」か「ヘルスケア4.0」といった感じででしょうか。国とスタートアップが同じ方向を向いた時に、どれだけの爆発力が生まれるのか考えると結構ワクワクします。

一昔前は、IT (ソフトウェア) と英語の知識があれば勝ち組と呼ばれていましたが、これからはこの2つに加えてハードウェアと医療の知識があれば、相当にユニークなポジションを築けるのかもしれません。

ハードウェアスタートアップの未来:トレンド編

Image by nolnet on Flickr

最近は Dragon Innovation のブログ記事をほぼ全て日本語に翻訳している感じですが、今回も同社の最新記事 The Future of Hardware – Part 2: The Trends の意訳という形で書きたいと思います。

[原文へ]

ハードウェアとその製造方法が進化し続けるに従って、未来を形作るであろう幾つかの重要な変化が今起きつつあります。

さらなる抽象化

我々が2000年初期の頃に Roomba を作った時は、モーターを駆動させるために自前のHブリッジ回路をプリント基板上に作る必要があった。(筆者注釈:Hブリッジ回路とはモーターの回転・逆回転の制御に使われる回路のこと。ロボット動作の基本部分を司る重要な回路。)そして、それらを動作させるために低レベルのコードを書く必要があった。この作業は設計・作成・組み立て・試験・デバッグに何週間もの時間を要した。

Roomba のHブリッジ回路とモターを再利用して作られたロボットの例
Roomba のHブリッジ回路とモーターを再利用して作られたロボットの例

現在では Tessel を使うことで、無線経由でモーターを回転させるのにたった数行のコードと5分の時間しかかからない。(筆者注釈:Tessel とは JavaScript と Node.js で制御可能なマイコン。C言語の習得が必要な通常のマイコンに比べてウェブエンジニアにとって扱いやすいのが特徴。)今ではこれら先人の知恵を多少借りることで、これまでになく素早くかつ安価に proof of concept に到達できるようになった。

これらの現状を踏まえた次のステップとしては、proof of concept で使用した同じチップセットとコードを使った量産体制への移行という未来が到来するだろう。電子部品とソフトウェアのモジュール化によって、試作品から量産品への移行をスムーズにするためのさらなる抽象化がもたらされるだろう。(機械工学関連は引き続き自前でやることになるが、量産品質の3Dプリンターによってこれも今後進化するだろう。)

サプライチェーンの複雑化

加速度センサー、無線関連、何かのデータを処理するもの、電池類などの「安易な」アイデアの製品は既にほとんど市場に出尽くしてしまっている。これから登場するであろうハードウェアスタートアップの第2波は、異なるサプライチェーンを組み合わせる形でイノベーションを起こすだろう。

BlueSmart が良い例だ。スーツケースとプリント基板を融合させたこの製品は1年前には想像すらできなかった類のものだ。こういった異なるサプライチェーンの組み合わせによって、ハードウェア製品の品質と多様性は今後さらに向上するだろう。

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世界初の「通信可能な」スーツケース BlueSmart

製造における「死の谷」を越える

IoT・ハードウェア製品の大衆化とクラウドファンディングによる後押しによって、5,000〜1万個という小規模な製造ボリュームに対する要求は今後ますます増えるだろう。こういった小規模な製造ボリュームは国内での生産に適しており、これまでのような顧客から遠く離れた場所にある工場とは競合する形で、世界規模の地産ムーブメントを引き起こすだろう。競争力を維持するためには、地産型の国内工場は柔軟なファクトリー・オートメーション(FA)を構築することで上昇し続ける人件費に対応する必要があるだろう。

工場選択の重要性

ハードウェアスタートアップは信頼できる工場を見つける必要がある。同様に、工場の方も自社の能力や成長に見合った顧客を見つける必要がある。効率的な製造ノウハウと工場ネットワークへのアクセスは、今後もコスト・品質・スケジュールを管理するうえでの競争優位性であり続けるだろう。

以上です。

量産品質の3Dプリンターの登場は、世界規模での地産地消ムーブメントを一気に引き起こすと自分も以前から考えています。量販店で買う製品と全く同じクオリティの製品を自分の家の卓上で3Dプリントできるようになった時、何か世の中で起きるか考えると今から本当にワクワクします。

Dragon Innovationの前回記事 The Future of Hardware – Part 1: The Tools and Technology もあわせてどうぞ。

事業を続けることの大切さと難しさ

Image by Ruud Onos on Flickr

普段、自分が経営や開発に携わるプロダクト&サービスの成長率なんてのは一切公表しないのですが、ちょっとここに来て Coworkify の成長率が目覚ましくなってきたので、これからテック系の事業を立ち上げられる方のために一言だけ書き残しておきたいと思います。

先に成長率だけ述べてしまうと、お陰様で今のところは毎月200%のレートで有料顧客が増えています。つまり、月の始まりにいた有料ユーザーの数が月の終わりには倍になっているという計算です。もちろん、これは今だけのレートの話であって、これから徐々に鈍化するはずです。

自分はあまり成長率とかマネタイズという言葉が好きではなく、それよりも顧客が本当に必要としているモノを作ることの方がよほど大切だと常に思っているクチですが、それでもこういう成長率は長い間テック系の事業をやってきている人間でもあまりお目にかかることはないです。

このブログの読者の方はご存知の方も多いと思いますが、Coworkify は2011年の Startup Weekend Kyoto で自分がチームを率いて優勝したサービスです。その後、サービス全体の作り直しを1回だけやって現在に至っています。

どんなプロダクト&サービスでも、いわゆるティッピング・ポイント(tipping point:潜在顧客に一気に受け入れられる瞬間)というのが必ず存在していて、これを超えると倍々ゲーム的に事業が拡大していきます。人によってはこれをキャズム(chasm:深い溝)とか、デス・バレー(death valley:死の谷)などと呼んだりします。

逆に、大多数の起業家やスタートアップはティッピング・ポイントがあることを知りつつも途中で諦めてしまうので、結果的に成功しません。よく失敗は成功の秘訣であるという言葉を聞きますが、それは現在進行形でチャレンジし続けている人に対する言葉であって、チャンレンジすることをやめてしまった人は要するに「諦めた人」だと言えます。

これまで Startup Weekend や他の起業イベントの審査員を何度かさせて頂きましたが、3年はおろか1年後ですらちゃんとプロダクト・サービスとして残っている事例を残念ながら自分はこれまでにお目にかかったことがほとんどありません。これは関西にいるからなのか、日本全体がそうなのか分かりませんが、とにかく皆さん色んな理由をつけて途中でチャンレジすることを諦めます。

少なからず起業しようとしてイベントに参加しているのであれば、実際に起業して事業としてある程度のところまではなんとか持って行ってもらえると、応援する側も応援のしがいもありますし、キャピタリストという投資家の目線でも「この人なら最後まで這ってでもやり遂げそうだな」と確信が持てるものです。

実際 Coworkify もそれまで書き上げたコードを全部1回捨てて事業の方向転換するまでは、とても顧客から対価を頂けるようなサービスではなかったですが、それでも2011年から2015年までの間ずっと続けてきてきたおかげで、ようやく最近ティッピング・ポイントらしきものを迎えようとしています。

重要なことは、どんなニッチな市場でも最初から世界を相手にしっかりと顧客のニーズに耳を傾けてじっくりと事業を作っていけば、いつか必ず事業としての成功を迎えるということではないでしょうか。

下記は Google Analytics から抜粋した有料顧客の国別内訳です。京都という地方で運営しているサービスですが、日本の顧客は2割以下、その他は全て海外の顧客になっています。

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カナダの顧客が多いのは、最初の有料顧客がカナダの会社だったので、そこから口コミで広がっているのではと推測しています。シンガポールは、元々自分がトップダウンで現地営業をしていたからだと思います。直近の目標は、4番目にあるアメリカを1番目に持ってくることでしょうか。

途中で諦めたくなる気持ちは十分に分かりますが、上記のコメントの通り、とにかく最初から世界と向き合って愚直に顧客からのフィードバックを受け入れて改善を繰り返せば、少なくとも B2B の分野ではグローバルの舞台でも必ず事業は成功します。これから起業する方は、ぜひ途中で諦めずに微調整を繰り返しながら、なんとか成功に近づいて頂ければと思います。

自分も引き続き頑張りますので。

全てのIoTは5年後にレッドオーシャンになる

Image by Simon Cunningham on Flickr

今日はたまたまですが、IoT と医療機器の関係について複数の人から同じ意見を聞かされた日でした。

まずきっかけは、Dragon Innovation の最新ブログ記事から。今後これから確実に起きるであろう IoT と医療機器の「衝突」を踏まえて、医療機器特有の懸念事項をまとめた記事です。

今回はこの記事の内容がメインではないので、あえて日本語に翻訳しませんが、コンシューマー向けハードウェア製品で良しとしている “Go fast, fail early” (とにかく速く市場に投入して、早めに失敗して顧客からフィードバックを得る)の考え方は医療機器の開発においては問題になりうると真っ向から否定している点が、とても興味深いです。

今はまだ IoT という言葉自体が若干の新鮮味を持っていること、ソフトウェア業界の人がまだそれほどハードウェア業界に流れ込んできていないこと、量産試作や製造に関するノウハウがまだ広く知れ渡っていないことなどの理由から、IoT 製品をちゃんと開発して出荷できているスタートアップには一定のアドバンテージ(参入障壁)がある状態かと思います。

ところが「クラウド」のように、一時は流行り言葉として認知されたもののあらゆるサービスがクラウドに移行しきってしまった現在よろしく、もう何をクラウド化したところで新鮮味がほとんど無くなる日がやってくることも、同時に我々は知っています。

今さら「うちは○○をクラウド化しようとしているスタートアップです」ですといったところで、その市場にはすでに何社もの競合が存在していて自社に残された市場はほとんど残っていないうえに、競合と同じレベルに追いつくだけでもとんでもない時間と労力が必要になる、つまり「レッドーオーシャン」が現在のクラウド、もといウェブサービスやスマホアプリが直面している状況かと思います。

これと同じことが遅くとも5年、早ければ3年で IoT にも起きるのでないかと最近ひしひしと思うようになっています。要するに、普通のウェアラブルとか、一般消費者向けのハードウェア製品を作っている企業は、これからもの凄い勢いでレッドオーシャンの渦に飲み込まれていくのではないかという主張です。

あと数年もすれば、1台のPCとネットだけで独自の基板設計・部品選定・工場発注・性能試験などをアウトソーシングやウェブサービス経由で全て完結できてしまい、誰でも IoT を手軽に作れる時代になると思います。それこそ小学生がスマホアプリを作って簡単に世界中に公開するかのように、誰でもオリジナルの IoT 製品をたった数クリックで中国・深センで生産できる時代です。

なので、Dragon Innovation や一部の先見性のあるアクセラレーターは、すでにレッドオーシャンとなりそうな分野をあえて避ける形で、医療機器など IoT・ハードウェアの中でも特に参入障壁が高い分野に既にシフトしてきているようにすら見える今日この頃です。

逆に言えば、これから IoT に参入する起業家・スタートアップは、自分が作る製品の種類を相当慎重に吟味すべきで、せっかく製品を作っても2〜3年後には自分の周りが類似製品でいっぱい、価格はどんどん下落、かつ自社に差別化できる要因が全く残されていない、という状態に安易に陥るのではないかと思います。

液晶テレビ、スマートフォン、お掃除ロボットも、最初の頃はノウハウをもった一部のメーカーだけが作れていましたが、すでにこれらの製品は完全にコモディティ化しているので、あえてこの分野に今さら飛び込もうとする企業がいない現状と似ています。

これから IoT に参入する人は、いきなり医療機器は無理でも、その一歩手前のヘルスケア機器から始めてみるとか、エネルギー関連(発電・送電・蓄電)や農業関連といったアングルから IoT に参入すると数年後も割とちゃんと差別化できているのではないでしょうか。

さて、最後にお知らせです。

昨日京都で開催された IoTスタートアップオープンセミナーで、ある発表をさせて頂きました。下記はその際に使用した、たった1枚のスライドです。

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現時点では、このスライド以上に詳しいことは言えませんが、実はこのプロジェクト、いま振り返ると関係者と最初の打ち合わせをしたのが2014年の4月。今からほぼ1年前の事です。なので1年かけてようやく昨日の発表に至っています。

このプロジェクトにご協力頂いた京都市・京都試作ネット・大学・VC 関係者の方々にはお礼を申し上げると同時に、これからローンチに向けて引き続きご協力をお願いしますと、この場を借りて一言添えさせて頂きます。

当日イベントに参加された方は自分の口頭による説明を聞かれたかと思いますが、まとめると「ハードウェアの製造イロハを3ヶ月間かけて学ぶブートキャンプを京都で開催する」という内容です。ある種のハードウェアスタートアップ・アクセラレーターと呼んで頂いても良いと思います。

メンターが張り付いてあれやこれやとアドバイスするだけでなく、ちゃんとした教育カリキュラムが用意されるという点ではおそらく日本初で、世界で見てもまだまだ相当数が少ない種類のアクセラレーターになると自負しています。

来月に東京で第2弾の告知イベントを開催しますので、詳細はこれから追ってまた明らかになるかと思います。いわゆる普通の IoT・ハードウェアも良いですが、医療向けや農業向けなど特定の業界に特化したコースなんかも用意できると京都の強みがさらに活かせるのではないかと、個人的には勝手に今からワクワクしております。

起業家教育は大学では遅いのではないかという話

Image by mars_discovery_district on Flickr

最近はおかげさまで、あちこちの大学での講義や講演に呼んで頂く機会がだいぶ増えましたが、来期も京大での起業家教育プログラム「起業と事業創造」の講義を一部担当させて頂くことになりました。以下、現時点でのスケジュールです。京大生・留学生の方の参加、お待ちしています。

5月12日 Business Plan Basics 2(英語)
6月9日 Silicon Vally(英語)
7月2日 大学ベンチャーの動向(日本語)

大学での講義はいつも出来るだけダイナミックに分かりやすく、自分の体験や経験をふんだんに織り交ぜて授業っぽくならないよう心がけていますが、そんな中、つい先日16〜18歳の高校生を対象にしたビジネスプランコンテストへのお誘いを受けました。

以前のブログ記事で書いた通り、自分はプロダクトやサービスが見れないイベントへの審査員要請は「一切全て」お断りさせて頂いています。このスタンスは今後も変わらないと思います。

自分の周りで活躍されている VC やアクセラレーター関係者の中にも同じようなスタンスをとっている方は少なからずいますが、一方で例外を設けている方もいます。それは、18歳以下の小学生・中学生・高校生が参加するイベントです。普段、社会人・大学生向けのビジネスコンテストには一切参加されないような方でも、いざ相手が18歳以下となると1日中でも張り付いて熱心にコーチングされる方も中にはいます。

大学での起業家教育をお手伝いさせて頂いている立場からは、若干言いにくいところがあるのは事実ですが、大学での起業家教育の重要性は理解しつつも個人的には「起業家教育は大学では遅い」とも思っています。

日本では、かなりの割合の高校生がそのまま大学に進学するわけですが、みなさん、自分の進学先の大学を決めた時の動機を覚えていますでしょうか?

エンジニアになりたい人は工学・情報系、教育に関心がある人は教育系、世界を知りたいという人は留学という選択肢もあったかと思います。

自分の場合はアメリカ西海岸でコンピューター科学を学ぶという選択肢だったわけですが、いろいろな大学での講演でこれまで話してきた通り、当時の自分の動機は「ビバリーヒルズ青春白書」と「起業」でした。前者はティーンエイジ世代特有のカリフォルニア的カルチャーへの憧れ、後者は自分の人生で何を成し遂げたいのかという本気の決断によるものでした。

つまり、ほとんどの人は高校から大学に進学する時点で、おそらく初めて自分の人生について真剣に向き合うことになり、何かしら1つの方向性を決めるわけです。

この決断を下す時に「起業」という選択肢が入っていなければ、おそらく大学進学後の4年間、さらにはサラリーマンとして働き初めて自分の人生に若干の違和感を覚えるまでの3年間、合計7年間は「自分で独立してビジネスをやる」という選択肢に全く触れないままになります。この7年間というのはそれは大きな数字で、年齢で言えば19歳から26歳という人間の基礎を作る大事な期間を、ほぼ完全にスキップしてしまうことになります。

もちろん、大学の間に起業文化に触れて実際に起業する人もいますし、社会人経験を積んでから起業する人もいます。ぶっちゃけ、起業するタイミングについてはいつでも良いのですが、起業を意識しながら経験を積んでいく人生設計と、サラリーマン生活が嫌だからという現実逃避の行き当たりばったりで起業する人生設計では、その後の結果が大きく変わります。

自分が運営している起業家教育プログラムで先日あるインフォグラフィックを公開しましたが、実は起業に最も適している年齢は34歳というデータも出ています。なので、ビジネスマンとして15年くらいの経験を積んでから、もしくは1〜2社のスタートアップを成功・失敗させてからの方が起業の成功率が高いと言えるわけですが、それも全ては起業を最初から意識している人だからこそです。

ここに自分が18歳以下の小学生・中学生・高校生に対する起業家教育、もとい「起業という選択肢も人生にはあるんですよ」的な啓蒙活動の重要性を感じている理由があります。

ちなみに、自分が留学していた当時のアメリカでは、一部の小学校で仮想通過と仮想市場を使った株取引を授業で教えていたこころがありました。これはモロに起業ではありませんが、ビジネスの根幹である何かを取引して利益を得るというコンセプトを幼少期に覚えさせるという点では、非常に大切な取り組みだと思っています。

さらに言えば、この18歳以下の学生に対する標準5科目以外の教育は全くもってしてビジネスになると個人的に思っていて、そういう意味では小中高生に DNA 抽出キットの組み立て方や iPS 細胞を扱った授業を提供しているリバネスさんなんかは、非常に面白いスタートアップだと思うわけです。

ウェブやスマホを使ってEラーニングをやるスタートアップもいいですが、もっと違うアングルから教育全体の底上げをやってのけるようなスタートアップが今後たくさん出てくると、もともと教育水準が高い日本で教育ビジネスをやる意味とアドバンテージが出てくるのではないかと考えます。