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事業を続けることの大切さと難しさ

Image by Ruud Onos on Flickr

普段、自分が経営や開発に携わるプロダクト&サービスの成長率なんてのは一切公表しないのですが、ちょっとここに来て Coworkify の成長率が目覚ましくなってきたので、これからテック系の事業を立ち上げられる方のために一言だけ書き残しておきたいと思います。

先に成長率だけ述べてしまうと、お陰様で今のところは毎月200%のレートで有料顧客が増えています。つまり、月の始まりにいた有料ユーザーの数が月の終わりには倍になっているという計算です。もちろん、これは今だけのレートの話であって、これから徐々に鈍化するはずです。

自分はあまり成長率とかマネタイズという言葉が好きではなく、それよりも顧客が本当に必要としているモノを作ることの方がよほど大切だと常に思っているクチですが、それでもこういう成長率は長い間テック系の事業をやってきている人間でもあまりお目にかかることはないです。

このブログの読者の方はご存知の方も多いと思いますが、Coworkify は2011年の Startup Weekend Kyoto で自分がチームを率いて優勝したサービスです。その後、サービス全体の作り直しを1回だけやって現在に至っています。

どんなプロダクト&サービスでも、いわゆるティッピング・ポイント(tipping point:潜在顧客に一気に受け入れられる瞬間)というのが必ず存在していて、これを超えると倍々ゲーム的に事業が拡大していきます。人によってはこれをキャズム(chasm:深い溝)とか、デス・バレー(death valley:死の谷)などと呼んだりします。

逆に、大多数の起業家やスタートアップはティッピング・ポイントがあることを知りつつも途中で諦めてしまうので、結果的に成功しません。よく失敗は成功の秘訣であるという言葉を聞きますが、それは現在進行形でチャレンジし続けている人に対する言葉であって、チャンレンジすることをやめてしまった人は要するに「諦めた人」だと言えます。

これまで Startup Weekend や他の起業イベントの審査員を何度かさせて頂きましたが、3年はおろか1年後ですらちゃんとプロダクト・サービスとして残っている事例を残念ながら自分はこれまでにお目にかかったことがほとんどありません。これは関西にいるからなのか、日本全体がそうなのか分かりませんが、とにかく皆さん色んな理由をつけて途中でチャンレジすることを諦めます。

少なからず起業しようとしてイベントに参加しているのであれば、実際に起業して事業としてある程度のところまではなんとか持って行ってもらえると、応援する側も応援のしがいもありますし、キャピタリストという投資家の目線でも「この人なら最後まで這ってでもやり遂げそうだな」と確信が持てるものです。

実際 Coworkify もそれまで書き上げたコードを全部1回捨てて事業の方向転換するまでは、とても顧客から対価を頂けるようなサービスではなかったですが、それでも2011年から2015年までの間ずっと続けてきてきたおかげで、ようやく最近ティッピング・ポイントらしきものを迎えようとしています。

重要なことは、どんなニッチな市場でも最初から世界を相手にしっかりと顧客のニーズに耳を傾けてじっくりと事業を作っていけば、いつか必ず事業としての成功を迎えるということではないでしょうか。

下記は Google Analytics から抜粋した有料顧客の国別内訳です。京都という地方で運営しているサービスですが、日本の顧客は2割以下、その他は全て海外の顧客になっています。

analytics

カナダの顧客が多いのは、最初の有料顧客がカナダの会社だったので、そこから口コミで広がっているのではと推測しています。シンガポールは、元々自分がトップダウンで現地営業をしていたからだと思います。直近の目標は、4番目にあるアメリカを1番目に持ってくることでしょうか。

途中で諦めたくなる気持ちは十分に分かりますが、上記のコメントの通り、とにかく最初から世界と向き合って愚直に顧客からのフィードバックを受け入れて改善を繰り返せば、少なくとも B2B の分野ではグローバルの舞台でも必ず事業は成功します。これから起業する方は、ぜひ途中で諦めずに微調整を繰り返しながら、なんとか成功に近づいて頂ければと思います。

自分も引き続き頑張りますので。

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