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「ビジネスプランコンテストにワシを呼ぶな」発言について

日本のスタートアップ界隈の方はすでにご存知かと思いますが、MOVIDA JAPAN の孫泰蔵さんの Facebook 投稿が若干話題になっています。

いつかは誰か著名な方が一石を投じるだろうと思っていましたが、自分も 120% このスタンスを支持します。

自分のようなしょーもない立場の人間でも、関西にいるからというだけで、ビジネスプランコンテストやピッチ大会の審査員依頼を受けることが、最近めっぽう増えてきました。

自分も泰蔵さんと同じスタンスで、プロダクトやサービスが見れないイベントへの審査員要請は「一切全て」お断りさせて頂いています。

逆にハッカソンや Startup Weekend など、何かしらのモノが出来上がることが前提となるイベントには喜んで参加させて頂いています。最近では、さらに一歩進んでハードウェア・スタートアップの作業場となる、ファブラボ的な場所の常駐メンター(Mentor in Residence)などを依頼されることもありますが、こちらも大変ウェルカムです。

残念ながら、近ごろは関西でも「なんちゃらピッチ大会」や「なんちゃらビジコン」という名前で、ただでさえ数少ないスタートアップや起業家を何度も同じ舞台に立たせてピッチさせて、それをもってして「自分はベンチャー育成をやっている」とおっしゃる方がかなり増えてきた印象を受けます。

一昔前であれば、VC やメディアの前でプレゼンする機会は大変貴重でしたが、今は逆に起業家やスタートアップが VC やメディアを選ぶ時代なので、ただアイデアや事業計画を披露するだけの場所は、もはや登壇する側の人間の貴重な時間を無駄にする以外の何物でもないのではと個人的に思い始めています。

先日投資実行させて頂いた NOTA 社は、これまでほとんどメディアやピッチ大会に出ていませんでしたが、2億円の資金調達に見事成功しています。京都という地方都市を拠点にしているから、というのもあるかもしれませんが、それでも同社は同じエリアのスタートアップの中ではかなり露出が少ない方だったのではないかと思います。

今は突出したトラクションや技術、チームがあれば、自ずと VC や支援者が寄ってくるのが現実です。逆に、トラクションや中身がない状態でやたらピッチ大会やメディア(クラウドファンディングのサイト含む)に出ている起業家やスタートアップがいるとすれば、それは物凄い勢いで自身のレピュテーションを下げることになるかと思います。それくらい VC・メディアの世界は狭いです。

もちろん、シリコンバレーにもビジコンやピッチ大会は未だに多く存在していますし、大学や MBA のような座学中心の世界では、まだまだこの手のことは数多く行われている現状もあります。しかし、プロダクトやサービスがないものに幾らコメントしたところで、コメントを受けた側の方も「では再来年に起業したら、頂いたフィードバックを実行しようと思います」といったレベルにしかならないではないでしょうか。

一方で、ビジコンやピッチ大会は全く不要かと言えばそうでもなく、実際に京都の某大学内で開催されたビジコンで優勝して、そのアイデアで学生起業し、まもなく年商が5,000万円を超えることろまで会社を成長させた起業家と、つい先日話をする機会がありました。なので、ビジコンやピッチ大会からも、こういった起業家は産まれる可能性はありますが、彼のように本当に起業して、サポートなしで自力でここまで成長させられる人間はほとんどいません。

もう1つ。プロダクトやサービスがあるチームに対してコメントするにも、3分〜5分程度のデモやピッチを聞いただけでは、どんなに優れた VC や連続起業家でも核心を突いたコメントはできないと考えています。最終的にジャッジを下すのは、B2C であれば消費者、B2B であれば企業という「顧客」しかあり得ません。

自分が ファウンダー・インスティテュート関西 を立ち上げたもの、実はこの辺りの「なんちゃって起業支援」に対するアンチテーゼの意味合いも、実は少しだけ含まれます。本当にアイデアや事業計画に対して「責任をもって」コメントするならば、3〜4ヶ月間みっちりと起業家を膝を突き合わせて、ガチでやりとりしない限り、育成という言葉に値するフィードバックを起業家に提供することはできないと思っています。

FI だけが唯一の組織ではありませんが、起業家の時間を浪費するだけのビジコンやピッチ大会はそろそろ終わりにして、ちゃんとした支援組織・育成組織を意識の高い人達が作っていかないと、実はスタートアップ支援者の方が「バブル状態」になって、いつか弾けてしまうのではないかと危惧しています。

最後にもう1つ。ハッカソン、Startup Weekend、アクセラレーターの運営者も、これからは日本においてもシリコンバレーのように、どんどん競争環境の中に置かれていくと思います。与えられた仕組みや時間のなかで、起業させる、プロダクト&サービスをリリースさせる、MVP を完成させる、といったアウトプットが出せない運営者は、徐々に周囲から支援が受けにくくなってくると思われます。これには、いま立ち上がり始めている大学などの教育機関での起業家育成プロフラムも含まれます。

優れた運営者や支援プログラムが出てくれば、起業家やスタートアップがそちを選ぶのは当たり前のことなので、支援する側も相当気合を入れて結果を出していかないと、誰も人が集まらない状況になってしまうのではないでしょうか。

以上、自分のケツを叩く意図も含めて書きました。

PS.
ファウンダー・インスティテュート関西では、現在第2期生の起業家を受け付けています。
最終締め切りは12月21日。オンラインテスト受験料 $50、受講料 $900、各種奨励金制度ありです。
説明会イベントは、12月10日 と 12月18日の残り2回だけです。
ガチなスタートアップ・アクセラレーターなので、全員が卒業できるとは限りませんが、チャレンジしたい方はここから申し込みください。

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