スタートアップアクセラレーターは実践的であるべき

MOVIDA さんの体制変更の記事を受けて、たまにはタイムリーな話題について書いてみようと思います。

スタートアップをアクセラレート(自分は「支援」という言葉があまりしっくりこないので成長を加速させるという意味で「アクセラレート」と呼ぶようにしています)する側の立場としては、この MOVIDA さんの体制変更はちょっとしたインパクトがあるのではないかと思っています。

というのも、これまでスタートアップアクセラレータといえば、

1)受け入れと同時に小額出資を実施(強制)
2)3〜6ヶ月間をかけて集中育成
3)育成内容は講義が中心、またはメンター経由で各スタートアップ個別メニュー

といった感じでした。

しかし、ここに来て日本国内においてプレゼンスの高い MOVIDA さんが、500万円の出資を強制からオプションに、育成内容を講義中心から実践的なブートキャンプ形式に、育成期間を6ヶ月から4ヶ月に変更するということは、ぶっちゃけ我々がやっている ファウンダー・インスティテュート関西 にかなり近い内容になってきていると率直に思いました。

自分は、講義や座学では厳しいベンチャー世界を生き抜くノウハウは絶対に身に付かないと思っているタイプなので、こういった実践的なアクセラレータが日本に増えることはとても喜ばしいことだと考えています。

一方で、ファウンダー・インスティテュート(以下、FI)は 2009 年の設立から一環して、超実践的なブートキャンプ形式だけをストイックに採用し続けていて、自分はこの点に惹かれて日本(関西)への輸入に協力したいと思ったのが、今に至る経緯だったりします。

実際問題、FI では卒業に辿り着く起業家&スタートアップは半数にも満たない状況で、ブートキャンプの内容について行けない者はバンバン落とされる仕組みになっています。その代わりに、卒業生の 42% が資金調達に成功しているという、業界でも屈指のパフォーマンスを誇っています。

これは、FI が本当にベンチャー世界で生き抜くノウハウを身につけた者だけを輩出する仕組みになっているということだと思っています。

企業秘密なので、詳しいことは言及できませんが、自分自身、この FI の運営をしていて、そのブートキャンプの実践レベルの高さに驚かされることが多いです。それは起業経験者の視点であってもです。

例えば、つい先日もプロダクト・サービスのランディングページを作るセッションで、使用する具体的なツール名がカリキュラムで指定されおり、それらのツールの提供会社と FI  が提携を結んでいるため、FI 参加者はディスカウント価格もしくは無料でスタートアップに必要なツール群が使えるという具合です。

また別のセッションでは、起業前後に関わらず外部に委託した制作物(ロゴ、プログラムなど)の権利所在を全て見直して、VC によるデューディリジェンスの際にリーガルや IP 関係でボトルネックが発生しないよう、弁護士を交えてチェックする内容になっています。

他にも、シリコンバレーの最前線で磨き上げられた実践ノウハウで、全ての FI のブートキャンプ内容は構成されています。自分自身、海外のスタートアップや 500 Startups などのアクセラレータで実践されている内容については普通の人よりはだいぶ詳しいと思っていたクチですが、それでも「ここまでやるか」というレベルの内容が FI には詰まっていることに、日々驚かされます。

これをリアルタイムに期限までに滞り無くこなしていく必要がある起業家&スタートアップの方は本当に大変だと思うこともありますが、逆に自分が20代で最初のベンチャー企業を創業した時に FI に参加していれば、おそらく大部分の失敗は避けることが出来ただろうとも思います。むしろ、FI に参加していたら、もっと成功していたかもしれません。

そんなわけで、日本に少しでも実践的なアクセラレータが増える事を願いつつ、まずは関西からグローバルで活躍できるスタートアップを産み出すことに引き続き注力します。

PS.
FI Kansai 春学期に参加している起業家のみなさん、あと1ヶ月半ですが頑張りましょう!

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